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幸せ再確認ツールは、インスタグラムにしかないのか?

今年の12月24日から25日にかけて、インスタのストーリーを開いてみたら、これでもかというほど皆が皆、うす暗い明かりの中でケーキや食事が置いてある写真をアップしていて、なんだか異様だった。クリスマスって、こんなだったけ。

SNSの中でも特にインスタグラムは、自分の生活の幸せや充実度を再確認する場として機能しているのではないかと思う。例えば、自分の誕生日に、友人や恋人が夜景の見えるホテルを取ってくれて、ベッドの上には風船で飾り付けがされ、もらった花束やプレゼントを持って写真を撮ってもらう。それを投稿して、いいねやコメントをもらう。誕生日にはこの流行のテンプレートをなぞることで、自分の誕生日を祝ってくれる友人や恋人がいることの幸せ度合いを確かめることができるのだろう。幸福度や充実度の再確認のためのテンプレートは他にもまだまだあるだろう。成人式の前撮り、ウェディングフォトと結婚報告、これから生まれてくる子どもの性別をケーキや風船で発表するジェンダーリビールパーティー(Gender Reveal Party)など、枚挙にいとまがない。これらはSNSがない時代から存在していたものではあるが、インスタでよく目にするようになって、自分も同じようにしたい、と考えるようになった人は急増しただろうし、何より、インスタに投稿してみんなに見てもらうところまでがテンプレートになっている。他人に見せられるクオリティを追求し始めるので、写真を撮ったりパーティーをするだけでも、どんどん凝ったものになってきているのではないだろうか。つまり、自分たちの幸せを感じたり表現するための行為だったものが、他人に見せる前提でなされるようになったのである。

自分の幸せや充実感を、他人に見せること以外で実感する術はないのだろうか?